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国際がん研究機関がスチレンの発がん性分類を格上げ

国際がん研究機関は、化学物質や業務について、ヒトに対する発がん性を評価し、公表しています。これまで約1000の物質や業務に対して発がん性分類がなされてきました。以下が各分類です。ヒトに対する発がん性が明らかなグループ1としては、石綿、ベンゼン、ホルムアルデヒド、たばこ、木材粉じん、紫外線、大気汚染、アルコール飲料、ディーゼル排気ガス、粒子状物質、加工肉などがあります。

グループ1:発がん性がある
グループ2A:おそらく発がん性がある
グループ2B:発がん性があるかもしれない
グループ3:発がん性を分類できない
グループ4:おそらく発がん性がない

スチレンは、これまでグループ2B(発がん性があるかもしれない)に分類されていました。しかし今年3月に開催された専門家会合において、スチレンの発がん性分類がグループ2Aに格上げされました。グループ2Aには、鉛、アクリルアミド、ポリ塩化ビフェニルなどが分類されています。

ヒトの調査では、リンパ造血系の悪性腫瘍(骨髄性白血病など)を生じる信頼できる証拠があると判断されました。ただし、他の要因の影響がまだ残っているため、証拠が十分とは判断されませんでした。

マウスを用いた吸入実験では、肺がんを生じることが確認され、その証拠は十分であると判断されました。

これらの結果から、発がん性分類が2Aに格上げされました。

スチレンは、発泡スチロール(ポリスチレンの発泡体)の原料です。また、コーキング剤にも使用されており、コーキング剤が使用されたバルコニー近辺の室内空気で高濃度検出された事例もありました。